スマートドラッグと将棋~チェスの研究事例から考える関係~
2019年12月08日
認知機能(Cognitive Enhancement:CE)を上げる方法はいくつも考えられているが、そのうちの一つで最も効果があるといわれるものがPharmacological CE, 薬によるものだ。通称スマートドラッグなどと呼ばれており本来は精神疾患の治療薬として処方されているものが多いが、健康な人間が仕事や学業のパフォーマンスを上げる目的で使われている。欧米では10%を超える人が薬を治療薬ではなくスマートドラッグとして使ったことがあると答えている。チェス国際連盟はこれらのうちのいくつかを禁止薬物をして尿検査を行っている。では実際にこれらの薬はどのような効果をチェスというゲームに及ぼすのか。今回の発表ではドイツでFranke et al (2017)によって行われた研究を紹介する。この研究では参加者は自分のレーティングに合ったレベルのコンピュータプログラムと15分間の持ち時間で対戦を行った。対局者はModafill、Methylphenidate、CaffeineかPlaceboのどれかを摂取した状態でチェスを行った。結果としてはチェスのパフォーマンスに対して良い効果そして悪い効果が見つかった。将棋でも同じような現象が確認できるのではないかと考えられ、これからのスマートドラッグと将棋の関係を考える材料の一つとなるだろう。















